HIKIDUS

RELEASEリリース

研磨された金属美は、まだ見ぬ情景との出会い。町工場の女性スタッフが生んだ雑貨ブランド「シルバー工房」

「従業員の50%以上が女性」

そんな町工場の常識?を覆す企業が山形市にあります。

金属研磨加工を行う柏倉工業所です。

同社は1982年創業以来、金属製品のバリ取りをメイン事業に展開する企業です。従業員23人のうち12名が女性と、一般的な町工場のイメージとは大きく異なります。

土日休日は完全休業。勤務時間の自由化や都合に合わせ平日も休みが取れる、大手企業もびっくりな働き方改革を5年前から始めるなど、特にお子さんのいらっしゃる女性にとって働きやすい環境です。

柏倉工業所Webサイト

実は相談を頂いた時に、ほぼ製品ができていました。いざ売ろうと考えるも行き詰まり、色んな支援機関に行くも進展せず、方向性がうまく整理できていない状況でした。

混沌とし、モヤモヤしている状況下では「急がば回れ」。徹底的にヒアリングし1つずつ丁寧に状況を紐解くことで、進むべき方向性(コンセプト)が見え、「誕生~制作~販売までのストーリー」を描くことができます。HIKIDUSが得意なところです。

まず、形になっている製品を即「売ろう」「伝えよう」と考えずに、製品を商品に変えるために方向性を今一度整理することが大切です。本来方向性が先にあり、製品開発に挑むことが理想です。しかし、今回のようにモノが先にできている場合や偶然売れそうなモノが生まれることはよくあります。理想は理想にすぎず、順序は問題ありません。同社のように売る行為を考える前に一度立ち止まれるかがポイントです。

話はそれますが、「売ろう」「伝えよう」と決めているがゆえに、そこまでのプロセスを検証することなく支援機関等に相談した結果、Webや販路開拓専門のアドバイザーに即バトンが渡るケースがあります。あくまで肌感覚ですが、中小企業支援の現場では問題点の指摘か、相談する側が示した課題に対し手段のアドバイスに終始することが多いと感じます。前者は過去~現在の結果に対し評論しているにすぎず、後者は例えると建物の基礎工事が終わっていないのに上物の工事を始めているようなものです。

話を戻します。混沌としている状況を独自のメソッド「売れるコンセプトづくり○△▢™」などを駆使し方向性を整理します。ここで不明確な点や矛盾が見つかることがあり、「誰にどんな目的で使って欲しいのかが不明確」なケースが多いです。それらを1つずつ明確にし、どうしてシルバー工房が生まれたのかといったストーリーを整理することで、よく言われる「モノからコト」。つまり、人がモノを買うときに感じる「メリット」や「共感」につながる文脈の整理が実現します。

同社には「新・発想(ワカイチカラ)」をポジティブに評価するカルチャーがあります。若い社員に積極的に技能を伝承する考えがあり、色んな挑戦を許容する文化です。それゆえに、やる気のある若い方を積極的に受け入れます。しかし、女性は「出産」を迎えることでライフスタイルが大きく変わります。そこを柔軟な働き方に合わせた就業環境で応えているのです。

これらが、自社初となる「シルバー工房」ブランドの立ち上げにつながり、硬く冷たい金属を女性スタッフの手で1つ1つ丁寧に磨き上げることで温もりを生む様々な商品が誕生。ここを明確に伝えることが、商品を売る入口になるのでは?と考えました。

「癒しアイテム」とまで定義されていた各商品について、不明確だった特徴を1つずつ整理します。まず、たまごの形をした球体はインテリア雑貨としてはもちろん、研磨で磨き上げられた光沢と独特の曲面から、そこに映り込む情景が見る者を魅了するのでは?と提案。商品名をUTUROI(うつろい)としました。実際、いつもの情景にUTUROIを置いてシャッターを切ると、見たことのない情景が映り込みます。ずっと握っていたいフォルムも魅力です。

From 柏倉工業所 Instagram

また、つみ石もシルバーの光沢感がインテリアとして映える点はもちろん、最後の1つを乗せるのにテクニックが求められるなど 積む時間が夢中になること。そして、疲れた今日1日の気分も、夢中になることで治癒される。そんな2つのメッセージを掛け合わせMUCHIU(むちう)としました。

既にモノが出来上がっている状況に、外から何か新しいキーワードや手段(単に流行の手法や考えなど)を単純に持ち込むことと成功確率を下げかねません。答えは相談の中に必ずあります。そこを短時間で正確に引き出しカタチにする。そこに期待以上のアウトプットをデザインすることが大切です。

シルバー工房 夢中になるつみ石 MUCHIU photo by 柏倉工業所

そして発売を迎えます。11月26日にTUY(テレビユー山形)Nスタでは、商品の特徴、誕生した事実だけではなく、同社が女性が半数を占める町工場で、そこの女性スタッフがみんなで新ブランドを立ち上げ、同じ女性に「癒し」を提供するインテリア雑貨を生んだ切り口で紹介されました。

また、12月6日には河北新報で同社の「女性雇用」の積極性が報じられ、その一環でシルバー工房が生まれたことが紹介されました。

12月19日付の山形新聞でも紹介されました。

山形のフリーペーパーgatta1月号でも紹介されました。

公式オンラインストア での販売の他、インテリア雑貨店やターゲットとなる20-30代の仕事の癒しを求める社会人女性が滞在する旅館等の宿泊施設内売店等の販路を広げます。今後のシルバー工房もさることながら、同社の強みや想いを活かした BtoB事業の活性化を行い相乗効果を育みます。

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