支援事例 ヨシダアイスクリームガーデン
ショッピングセンター吉田(山形市城南町 吉田畜産運営)は、「よしだのお肉」の呼び名で親しまれる吉田精肉店を中心に生鮮3品を揃える地域の食品スーパーです。これまで「匠シリーズ」(豚味噌漬けや隠れたヒット商品「砂肝くん」など吉田精肉店オリジナル商品)や「ビビビ餃子」(19年に登場した花山椒たっぷりの「電気のようにしびれる」オリジナル餃子)、「届く!焼肉レストラン」(コロナ禍の巣ごもり需要に対応した、自宅に焼肉セットが宅配されるサービス)などご支援させて頂きました。
同店は、買ったお肉を店内で焼いて食べることができるバーベキューガーデンという珍しい施設があるも、コロナ禍で休眠状態になっていました。その後、冷凍食品の販売コーナーとして利活用するも、お客様の足を止めるインパクトを生み出せずにいました。そこで、大々的な工事やレイアウト変更をせず、その場にある「冷凍ケース」を使うことを前提に、「全国のご当地アイスを一堂に集めるコーナー」のご提案をしました。
アイスクリームは長期保存ができます。氷菓は夏が主戦場ですが、クリーム系は冬場でも一定数売れる(寒い地域ほど売れる傾向)など、ここ数年市場が右肩上がりにあります。ある民間調査では「焼肉の〆にはアイスクリーム」と答える人が60%を超え、シニアも毎週1個以上食べる人が一定数いることも考慮しました。
実際に、全国各地のスーパーに足を運ぶとその地域で広く親しまれているソウルアイスが売られています。最近色んなところで見かけるようになった竹下のブラックモンブラン(佐賀県)や丸永製菓(福岡県久留米市)のあいすまんじゅうなども元々はご当地限定でした。
加えて、首都圏のスーパー20店以上を視察する中で、ナショナルブランド(森永やロッテなど)とプレミアムアイス(ハーゲンダッツなど)に並び、ご当地のソウルアイス(低価格帯と高級帯の両方)が販路を広げている事実もあり、どこでも買えるナショナルブランドを一切置かず、どこにもないソウルアイスのみを置くアイスクリームコーナーの開設に踏み切りました。売上は冷凍食品コーナー時と比べ1日あたり最大約35倍。
北は北海道、南は奄美大島、沖縄まで全国から約80種のアイスを取り寄せました。 同じやるなら「ダントツ」 でないと意味がありません。おそらくご当地アイスを常設販売する店舗としては日本一の規模を誇ると思います。
私の実家がある関西からも和歌山のグリーンソフト、大阪のFLORが山形初登場。山形でお肉を食べた後にもさっぱり美味しいグリーンソフトが食べられるのは感激です(笑)
地域の食品ス-パーは、人口減少時代において大手やネット通販との競合が加速するなど厳しい市場環境にあります。同店も例外にはなく、近隣には全国チェーンと地場の最大手チェーンがそれぞれ徒歩数分圏内にあります。それらと明確な差別化をはかり、これからも選ばれるお店になるためには「誰にどう利用して欲しいのか」を徹底的に描き、そこに「相応しい商品やサービスの充実」以外ありません。今回は、それら充実を目指す中での先行施策で、決して最終ゴールではありません。今後の同店に乞うご期待ください。