街から消えたものを復活。高齢者等の買い物を便利に。高校生が作る菓子を常設販売。そして駅前活性化に。布団店が自販機で行う「三方よし」な取り組み始まる。
山辺駅前の石沢布団店では23年10月13日(金)より山形県立山辺高校食物部が製造する焼菓子と、天童市の老舗製パン会社「沼沢製パン」のパンを販売する「三方よし自販機」の始動させました。「布団店と製パン会社と高校生(売り手よし)」「地域の高齢者と高校生(買い手よし)」「駅前活性化(世間よし)」の三方よしを目指す自販機です。背景に、早朝駅の待合室で病院や銀行等が開くのを待つ高齢者や高校へ通学する生徒に駅前には商店もなく「食」を提供する機会が不十分であること。待合室も駅の改修工事が始まった関係で当面十分に機能しないなど、長年羽前山辺駅前の地域動向を目前にしてきた1軒の布団店が、複数の地域課題に向き合い、それを1台の自販機で解決を目指す珍しい取り組みです。同店には当然パンの製造や喫茶事業を行うノウハウがないことから複数の課題を「自販機」で克服することを目指すことになりました。
写真:石沢布団店公式Instagramより
10月14日(土)の山形新聞で紹介されました。
また、10月20日(金)のFM山形「マジフラ MAGIC on Friday」でも紹介されました。
なおこの自販機には、山形地域に存在する昭和40年~平成前半までに誕生したロゴ等をグッズ化し、新たな関心を育む「ヤマガタニューレトロプロジェクト」の第10弾として「沼沢製パン」(※日刊ヤマガタウェイのページに飛びます)のTシャツなどのグッズも販売されています。
コロナの影響で冷凍自販機を中心に色んなところで色んな商品の自販機を見るようになりました。それらは買い物利便性に加え「意外な場所で意外なものが買える」といったワクワク感も与えているように思います。一方、全国展開する商品の自販機を置いただけといった印象を抱くケースも少なくはありません。コンビニや通販で簡単にモノが買える時代、買い手は単にモノが欲しいわけではなく、モノの先にある「ここにある必然」や「共感できるメッセージ」に対価を払います。そのような意味でも、「地域活性」「買い物利便性向上」「産学連携」といった複数の目的を1つの自販機に設定することは、地方の人口減少地域の自販機としての理想ではないかと考えます。
石沢布団店(Instagramに飛びます)